SESにて需要のあるスキルを徹底解説!!

SES業界はIT領域を対象にしているため、常に移り変わりが激しいです。
1年経てばスキル要件も大きく変わり、求められる水準も変わります。
そのため、世の中に出回る案件も一気に変わってしまうことも度々起こります。
エンジニアは一生勉強し続ける必要があるとよくいわれると思いますが、世の中にある全ての技術を身につけることは現実的ではないので、スキルの土台を身に着けて行くことが重要です。
また、今現状の市場を把握して最も案件数が多いところを極めることも一つの手です。
ということで、今回は案件数が多かったり需要が多くなってきているものを説明していこうと思います。

開発系のエンジニア案件が最も多い!!

SESの案件で最も多いのはズバリ開発案件です。
フロントエンドからサーバーサイドまでのWebシステム開発が案件としては最も多く、次にスマホ関連のアプリ開発やインフラ系の開発需要が多くなります。
しかし、一概に開発と言っても世の中にはものすごい数の開発言語が存在しています。
なので、今回は開発言語を中心にどのような案件が多いのかより詳細を探っていきます。

JavaとPHPは長年に渡って案件数がNo.1を争っている

開発案件で最も利用されている言語はJavaとPHPです。
JavaとPHPどちらが多いの?という疑問が生じると思いますが、これは更に細かく分けていく必要があります。
主に業務系システムやBtoBのシステムにて利用される事が多いのがJavaと言われています。
なぜかというと、一説にはJavaはコードを書く際に厳密な規則があり、その規則から外れるとコンパイルエラーとなるため、失敗の許されないような業務系のシステムに多く使われると言われています。
ただし、業務系システムにPHPを使った開発することも問題はないため、たまたま日本でのJavaが普及した時代に業務系のシステムを開発が頻繁に行われたという時代背景もあるとは思います。
一方でPHPはコンシューマー系やBtoCと呼ばれる分野での利用が多いです。
これも、様々な要因がありますが、コーディングの規則が緩やかなためある程度柔軟なコーディングでもシステムがエラーを吐かずに動くから、ユーザーの声を素早く反映するようなコンシューマーサービスで普及したと言われています。
しかし、これもたまたまPHP5系が出た時にフレームワークが普及して使い勝手が良かったから等複数の要因があるので一概には言い切れません。

機械学習需要で増えたPython

PythonはAIやディープラーニングの分野が活発になったことで普及スピードが上がりました。
Pythonの特徴は計算処理系のシステムで普及してきたということと、Numpyというライブラリを中心とした様々な計算処理系のツールが存在する点です。
これにより、機械学習のような分野での効率的で正確な処理が可能な言語としての地位を確立しています。

Ruby on Ralisによって需要が高まるRuby

Rubyは単体での案件は殆どありません。しかし、Ruby on Railsの登場に酔って急速に需要が高まりました。
特にRails2系の登場から必要機能が拡充されたため、多言語でコーディングするよりも少ないコード量で開発が可能となりました。
一度シェアをとってしまったPHPの需要を上回るほどではなかったものの、手軽さからRuby on Railsを使ったRuby開発を好むエンジニアは多く、じわじわとシェアを獲得している状況です。

SwiftやKotlinはスマホアプリ開発で圧倒的シェア

SwiftとKotlinは、一部を除くアプリ開発には必要不可欠なものです。
両者の登場によって、それまで使われていたObjective-CやAndroidJavaの需要は急低下しましたが、これはなるべくしてなったいわばアップグレードのようなものなので、悪いことではないです。
スマホアプリの需要は、衰えることがない状況ですが、Web開発ほどの需要があるわけでもないので、どちらかを選択するとなればWebの開発を選択してしまうエンジニアも多く、アプリ開発は受給のバランスが崩れている傾向が出やすいものとなっています。
また、UnityやReactNativeでのアプリ開発の需要も高まっており、iOSでもAndroidでも動くというメリットを活かした開発ができる代わりに難易度が高いため、需要に対して供給が追いつかない状況が常にあります。

JavaScriptの案件も増加傾向

JavaScriptは数年前まではエンジニアから嫌われる言語でした。
サーバーサイドの決まり事が通用しなかったり、ブラウザごとに訛りのような癖があったりしたため、対応する工数がものすごく多かった事が主な原因です。
しかし、近年ではブラウザがChromeを筆頭にシェアが偏っていることや、パソコン、スマホ、ブラウザというようなJavaScriptの動きに影響を与えるシステム自体が高性能化したことで、エンジニア側の対応工数が徐々に改善され、高度な事ができるエンジニアは重宝される傾向にあります。
また、JavaScriptを極めることで、フロントからバックエンド、アプリ開発に至るまで全て完結することが可能になりました。
それがNode.jsやReact.jsのようなフレームワークや仕組み、概念の登場です。
Node.jsを活用してサーバーサイドをJavaScriptで開発することができます。
React.jsのReactNativeという仕組みによってiOSとAndroid両方で動作するアプリを開発することも可能です。
このように幅広い開発スタイルに適応できるJavaScriptは、将来性の最も高い言語と言っても過言ではないはずです。
また、React.jsの他にもVue.jsなどのJavaScriptのフロントエンド用のフレームワークが登場したことで、今までメインで利用されていたjQuery案件は急速に低下しており、jQueryを利用したJavaScriptが使えることは、近年は需要がなくなっていることには注意しなくてはなりません。

VBやCOBOLはもはやレガシーで案件数も減少

VBやCOBOLはJava等の言語が登場する前、またWebやアプリが発展する以前の言語と捉えていただいたほうが良いかもしれません。
現状、Webやアプリが発達したことと並行して、様々なサービスがクラウド化してしまいました。これに加えて、Javaが登場してからは業務系のシステムはJavaの開発に置き換わってしまい、結果既存のシステムの運用保守や追加改修のみの需要が発生しますが、その需要は微々たるものです。
今後も大きな需要が発生する可能性はとても低いでしょう。

クリエイター/デザイナーも比較的充実

開発エンジニアの次に需要があるのはクリエイター/デザイナーの案件です。
ただし、この分野は業務委託のSES契約ではなく派遣契約での需要も多いのが特徴です。
また、クリエイターやデザイナーの分野と緩やかにかぶるのがフロントエンドの開発です。
近年ではJavaScriptをデザイナーがコーディングする範囲となっているケースもあり、そのあたりは曖昧な状況です。

エンジニアに近いフロントエンド案件はデザイナーの最高峰

前述通り、エンジニアとかぶるフロントエンドの案件はデザイナーのジャンルの中でも最も需要があります。
高度なスキル要求となっている反面、デザイナーの案件の中でも最も高単価な水準となるため、この領域を目指す人達も少なくはありません。
ただし、マークアップレベルのコーディングではなく、フレームワークを活用してエンジニアとしての概念を理解した開発を求められるため、デザイナー出身でこの領域まで達せれる人は限られた人しかいないのが現状です。
Vue.jsやReact.jsの需要が高まっており、JavaScriptの中でもその経験がある人は重宝されやすいでしょう。

HTML/CSSを使ったWeb開発は安定的需要

デザイナーやクリエイターと呼ばれる人はコードを一切書かない時代はほぼ終りに近いです。
一部制作会社や大手から舞い込んでくる案件ではまだその領域もありますが、基本的にはWebの分野では素材の作成から画面の表示のすべてをデザイナーに依頼する傾向が強いです。
JavaScriptが扱えるデザイナーはものすごく重宝されますが、HTMLやCSSが使えるデザイナーは近年では当たり前のような捉え方となっています。
そのため、Adobe製品を使えるというところを特技にしていると、需要的にはHTMLやCSSを使える人の方に案件の依頼がきやすいため、不利な状況となる可能性は高いでしょう。

PhotoshopとIllustratorの案件は単体では縮小傾向

デザイナーやクリエイターは一昔前まではPhotoshopやIllustratorを使うことができれば良い時代もありました。
今もそれを専門としている案件も存在します。しかし、年々需要は下がってきており、かなりの経験者や実績が豊富な人でないとたどり着くことが難しい案件になりつつあります。
そのため、可能な限りマークアップの領域へ手を広げてフロントエンド全般が扱えるようになることが必要な状況です。

アニメーションやモーションの動画案件は緩やかに上昇

Webの世界の話とは別で、アニメーションやモーションの領域は実は需要が少しずつ増えています。
YouTubeを中心に動画コンテンツが盛り上がりつつあり、そのため需要が増えている状況です。
今はまだ、新興企業が必死にしのぎを削って自社で制作しているため、大きな需要が発生しているわけではありませんが、今後売上が拡大していったり、資金調達が進む企業が多くなるにつれて、案件数が増えてくる可能性があり、注目すべき領域と言えるでしょう。

インフラ系の案件は需要は偏っている

一昔前の自社サーバーのメンテナンス需要はありました。
しかし、現在は自社でサーバーを構築している企業は減少傾向にあります。
その理由はクラウドサービスの拡大です。
アマゾンが提供しているAWSがその中心にあります。
AWSの様々なインフラ機能をサブスクリプションや課金モデルで支払い利用することが当たり前になってきたことで、自社サーバーの構築や保守という案件需要が激減して、代わりにAWSを中心としたクラウドサービスの構築や保守の案件が激増している状況にあります。

AWSを中心としたクラウドサービス案件が需要旺盛

前述したとおり、今のインフラ領域のエンジニアであれば必ずといっていいほど経験値をヒアリングされるのがクラウドサービスの構築、運用保守経験です。
AWSを中心としたAzureやGCPの登場でクラウドサービス上でサービスを展開している企業が増えたことで、自社サーバーのメンテナンス需要からクラウドの需要に置き換わりました。
そのため、この領域の経験を詰めた人は安定した案件需要が継続的に発生しています。

自社サーバーの運用保守等は激減

前述通り、こちらはクラウドサービスへの置き換えがこの数年で急激に進みました。
その影響で、現状自社サーバーの運用保守需要は激減しています。
ただ、クラウドサービスのセキュリティ問題等を懸念される企業も少なからずあるため、ニッチな市場として一定の需要は発生しているため、巡り合うことができれば案件はまだあるでしょう。

DB案件は開発エンジニアが兼任

インフラの中でもデータベースの領域を専門にしているエンジニアもいると思います。
しかし、近年ではこの領域は開発エンジニアが対応してしまう傾向にあります。
そのためDBに特化したスキルを持っているひとはサーバーの領域もしくは開発の領域のいずれかもできる状態を目指す必要が出てきており、そこができないと案件需要はみるみる減ってきてしまう状況にあります。

まとめ

ITの領域は、日々新しい技術が開発されます。
おそらく1年後にはまた便利なツールが開発され、それによって新たな需要が発生することはほぼ確実だと言えます。
急激に変わることは極稀ですが、フレームワークが新しいものが作られれば昔のフレームワークは使われなくなり、需要が置き換わるという小さな切り替えが起こるのです。
そのため、エンジニアは常に新しいものに触れて、良いものは取り入れるという習慣をつけていくことが大切です。
近年では、昔のようにエンジニアの領域が明確に分けられているわけではなく、いわゆるフルスタックエンジニアというような1人でインフラからバックエンド、フロントエンドの開発が行えるような人もいます。
そのような人はまだごく僅かですが、数年後には当たり前な時代が来ることもありえない話ではありません。
専門性に特化することも大事ですが、得意な領域を一つ身につけて、徐々にできる範囲を拡大していくということを意識するのは大切です。