SES営業が行っている業務内容とは?

SESの営業と言っても、やることは多岐にわたります。パートナー会社への営業、クライアント営業、新規取引先の開拓、フリーランスの集客、トラブル対応などなど。
また、会社によっても一人で全てをこなす必要があるところと、組織で作業内容を分担しているところでやる仕事の内容も異なります。
ということで、今回は一般的なSES営業の業務内容について説明していこうと思います。
これを見ればSES営業の基本はわかることができるはずです!!!

業務内容が大きく変わる?!両手や片手とは?

人材業界を経験している方であればすぐわかる業界用語ですが、その他の業界ではあまり使われないためなにを言っているのだろう???と思う方もいると思います。
両手とは一言でいうと人材とクライアントの両方の業務を一人で行うことを意味しています。
片手は人材は人材の営業がクライアントはクライアントの営業がそれぞれ専任でいる状態を指します。
そのため、両手であれば、ほぼ全部の業務を一人で行うに等しくなり、片手であれば人材の窓口とクライアントの窓口が別なので、人材とのやり取りはAさん、クライアントとのやり取りはBさんのような感じになるのです。
一般的には小規模で少数精鋭で行っている会社は両手の営業スタイルで、従業員が増えて組織が拡大するにつれて片手の営業スタイルを採用する傾向があります。
片手はチームでの連携が必要となるため、組織やチームの仕組みづくりがうまくできていることが前提ですが、両手でやっている状態よりもクライアントの要望や人材に寄り添った営業ができるというメリットがあります。反面、両手で行うときのように全ての情報が自分に集まるわけではないため、確認や連携に要する時間がかかるというデメリットもあります。
今回は、SES営業で主流の両手営業のスタイルで説明をしていきます。

1日の業務の流れ

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SES営業の1日は実は意外とルーティーンワークとなっています。
一日の例はこちらです。
9:00 出社とともにメールの確認
9:30 クライアントからの依頼をヒアリング
10:00 クライアント要望にマッチした人材の調査
11:00 契約済のクライアント先訪問にて外出
12:30 エンジニアランチ
14:00 商談
16:00 会社に戻ってメール確認
17:00 クライアントと人材のマッチング
18:30 退社と共にSES交流会に参加

このようにある程度変動はあるものの、一日の時間の流れとしてはルーティーンで行う業務が多いです。
また、業務の内容上月末や月初は書類関係のやり取りが多発するため、忙しくなる傾向があります。
さらに、契約延長のタイミングでも確認事項が発生することが多いためルーティーンに乱れが生じる傾向にあります。
これとは別に、突発的に発生するのがトラブル対応です。
常駐している人材もしくはクライアントいずれかが問題を起こしたことで双方が揉めるケースがSES営業の業務にはつきまといます。
このトラブルによって一日のスケジュールは大きく乱れることもあるので要注意です。

定期的な交流会がある

一日のスケジュールの最後に出てきましたが、SES営業には交流会というものが定期的に発生します。
SESを事業として行っている会社が集まって名刺交換を始めとした情報交換を行う場であり、大人数で行う飲み会みたいな気楽なものから、お固めな企業交流会のようなものまで幅広く存在します。
大体の交流会は主催者が大手SES企業や中小のSES企業が合同で開催していることが多いです。
基本的にはENDや元請けと呼ばれる案件を持っている企業が来ることはなく、大半がSESとして人を抱えている会社が来るので、クライアント開拓で利用するのではなくパートナー企業の開拓として利用することが主な目的となります。
パートナー企業が多ければそれだけクライアントとマッチした人材を提案できる可能性が広がるため、このような交流会を効率的に使えるかどうかもSES営業の一つのポイントとなります。

SES営業にはトラブルはつきもの

こちらも業務の流れで書いてあるようにSES事業にはトラブルはつきものです。
SES事業は社員ではなく業務委託という契約形態で別な会社に常駐して作業を行います。
そのため、自社で仕事をしているよりも目に見えにくい部分があり、認識の齟齬などが起こってしまう可能性が高くなります。
この部分は営業マンの腕の見せ所であり、営業努力でなんとかなることもあるのですが、クライアントや人材側の都合で発生してしまったトラブルに関しては、未然に防ぎきれないものも存在します。
例えば、クライアントが事業に投資する予算を減らす意思決定を行った場合に一番最初に対応するのは外注費と呼ばれる部分です。
SESは外部の助っ人のような存在のため契約上は人件費ではなく外注費として計上されます。
例えば、残り3ヶ月の契約期間があったにもかかわらず、クライアントからの期間短縮の相談をされるケース等がこれに当たります。
人材側からすれば契約を取り交わしているので安心してたにもかかわらず、突然の契約短縮で終了ということになれば納得いかない方もいますし、会社同士で揉めることにも繋がります。
また、SES事業には商流というものが存在しているケースもあるため、商流の中でより揉め事が大きくなってしまう場合もあります。
ほかにも、人材側の不手際によってクライアントから契約を打ちきりになるようなこともあります。
よくあるのが勤怠不良で遅刻や休みが多い人材で、クライアントから注意を受けているにも関わらず一向に改善されない場合です。
他にも、作業時間中の居眠りなどもトラブルの原因となることが多いです。
コントロールできる範囲は営業マンがコントロールして防ぎつつ、発生してしまったトラブルは真摯に対応することがベストです。
トラブル対応をどれだけうまくできるかもSES営業の腕の見せ所という感じでしょうか。

今も根強く残るメール文化

SES営業において、メールは切っても切り離せないツールとなっています。
近年はスマホの台頭によって、メールよりもメッセージアプリなどを利用したコミュニケーションが主流となりつつありますが、SES事業では未だメールが主流となっています。
原因は様々ありますが、最も多い理由が昔から続く会社が多くメールツールを利用しているやり取りから脱却できていないことなのではないでしょうか?
ただ、近年ではSES事業に注目したベンチャー企業が参入してきており、新興企業を中心にメール文化からチャットツールを利用したやり取りも取り入れられてきています。
しかし、仕事においてやはり重要なものはメールでという文化は消えることなく根強く残っており、新興企業でもエビデンスを残すというのはメールでやるべきという風潮はあります。
全てをメールではなくチャットで済ませることもデメリットがありますが、コミュニケーションが重要なSES事業において、レスポンスが遅いのは命取りです。
様々なツールを駆使してSES事業でのトップを走るのが営業の極意とも言えます。

やればやるだけインセンティブがもらえることも!?

SES事業のビジネスモデルはストック型と言う一度決まったら毎月安定的に報酬が入ってくるスタイルになっています。
そのため、決まったら数%を報酬としてもらえるようなコミッション契約にてSES営業を行っている人もいます。
クライアントと人材の両方に人脈がある人であれば毎月ストックで安定した報酬を獲得することも夢ではないです。
しかし、一人でSES事業を行うのには限界もあり、報酬目当てでフォローを怠るとトラブルが多発して結果的に安定した報酬が獲得できないということもありえます。
しっかりとトラブルの種に対して対応を行いつつ、報酬を増やしていくような動きが大切になります。

まとめ

SES事業は日本のITの開発現場を支えている仕組みであって、そのマッチングを行うSES営業マンは今の日本にはなくてはならない存在です。
しかし、適当なマッチングばかりを行ってしまうとトラブルが頻発して結果的にクライアントや人材への迷惑となり信頼も失うという悪循環になります。
地道に積み重ねた信頼が最も営業のちからになるのがSES営業の醍醐味と言えます。
SES営業をマスターすれば他の営業でも怖くないと思えるほど力がつくことは間違えないはずです。
興味があればぜひ門を叩いてみてはいかがでしょうか?