企業からの質問の意図を理解し、
面談を楽しいと思えるようになろう!!
前回に引き続き、SES契約における面談対策を伝授していきます。
【後編】の今回は、面談時の「質問事例」と「逆質問」にフォーカス。
読者の皆様に有益な情報をお届けできるよう、
弊社の経験を余すことなくまとめておりますので、
是非とも最後までご拝読いただければと思います!
面談の流れ
質問事例の解説に入る前に、簡単に面談全体の流れを説明しますね。
一般的な面談の流れは、下記の通りです。
挨拶→ 企業から会社説明 → 経歴説明 → 企業からの質問
→ 逆質問(候補者からの質問) → 面談FB(フィードバック)
※面談FBは候補者が退室した後に、企業と営業間で行われます。
基本的には、同席する営業がファシリテートを行い、上記の流れを作ります。
経歴説明の前に会社説明を行うのは、
先に会社説明を聞いた方が、それを受けてから経歴説明を行うことが出来、
端的にポイントを絞った経歴説明を行いやすくする意図があります。
弊社の経験から、9割以上の企業は上記の流れとなりますが、
時折、会社説明の前に経歴説明をお願いされる企業も存在します。
そのため、必ず事前に面談はどのような流れで進むのかを、尋ねておくようにしましょう。
質問事例
今回お教えする質問事例は、弊社の面談同席経験に基づき、
「意外と尋ねられる質問」という視点でご紹介いたします。
痒いところまで手の届く情報が届けられればと想っておりますので、
是非とも参考にしていただければと思います!
弊社のサービスについて、どう思いますか?
自社サービスを保有している企業(事業会社)からは、必ず聞かれる質問です。
(受託案件の面談の際には、スキル・経歴についての質問がメインで、サービスについては、尋ねられないことも良くあります。)
昨今は、エンジニアだからといって、コードだけ書ければ良いというわけではありません。
特に事業会社では、「サービス志向性」を持っている技術者を求める傾向にあり、
こちらの質問では、その「サービス志向性の有無」を確認しております。
「サービス志向性」とは、言い換えれば「ユーザー目線である」ということ。
システム側のやりやすさばかりを追求せず、顧客の声を尊重し、
常にサービスの改善に繋げる姿勢を求められております。
こちらの問いへ回答を行うには、
事前に企業の事業内容やビジネスモデルには目を通し、準備をしておくことが必要です。
「何故、このサービスを良いと思えたのか?」という観点を、
自身の過去の経験に紐付けながら説明できればベストでしょう。
今回や過去の現場の終了理由は?
スキルシートに記載されているプロジェクト(PJ)が、
長期で携わったPJ(1年以上)が多いのか、
短期のPJが多く、案件を転々としているのかにより、
こちらの質問の意図は変わってきます。
長期的に活躍した現場が多い人は、
参画中企業からの終了通達というよりは、
自分から終了希望を伝えることが多いため、
「その人が何を求めて現場を変えるのか」を探るために、この質問を尋ねます。
そのため、「今後のキャリア」に絡めた回答を行うと、
相手の意図に沿った回答を行うことができるでしょう。
逆に短期的なPJが多い人は、
スポット案件で参画前から既に期間が決まっていたケースもあるかも知れませんが、
スキルや人間性の部分で現場から終了を言い渡されたのではないかと、
企業側から疑念を抱かれてしまう可能性も十分にありえることです。
そのため、「この人は本当に参画しても大丈夫なのか」
という信用度を確認したいという意図が読み取れます。
もし、読者の方が後者であった場合、取り繕って嘘をつく必要はありません。
仮に前回の現場の終了理由が「スキル不足」ということであれば、
以前の現場のレベルと自身のスキルレベルとの乖離を説明し、
自分の足りていない部分を改善するために今行っていることを伝えられれば、
「正直さ」をアピール出来るだけでなく、自身の身の丈を知った上で努力できる人とも評価されます。
その場だけをしのいで、万が一参画できたとしても、
参画後に困るのはあなた自身になりますので、
必ず正直な回答を行うよう心がけましょう。
(スキルシート上から選択し)何故、この技術を選定したのですか?
こちらの質問では、勿論、技術に関する知識の豊富さを尋ねてもおりますが、
それ以上に、『物事を深く考える習慣があるか』を確認しています。
回答する際、自身で技術選定を行っていなくとも慌てる必要はありません。
技術選定を行っていなくても構いませんので、
「何故、現場がこの技術を選定したのか」という背景は調べておくようにしましょう。
その背景や理由を知っているか否かで、
ある指示を与えられた際、深く考えずただこなすだけの人であるのか、
それとも、その指示の背景にある目的をしっかりと認識した上で行動する人であるのか、
を判断するひとつの指標になります。
後者のような『目的意識』を持って行動する人の方が、
理解が早く、様々な場面で応用することもできる傾向にあるため、
企業は、そのような行動特性を持った人を求めているということです。
また、その技術選定の背景には、
技術的なものから企業特有の慣習的なものに至るまで、様々な理由があります。
多くの事例を知っておくことは、いつか自身で技術選定を行うその時に、必ず役に立ちます。
エンジニアとしてのキャリアの浅い内から「何故」を常に問い、
『目的意識』を持って行動することを習慣化させるようにしましょう。
最近良いと思った技術は?
プライベートで勉強していることは?
この設問の意図としては、主に下記となります。
- 流行りの技術に対して明るいか。学習する習慣のある人か。
- 要点をまとめて説明できる地頭の良い人か。
- 今後のキャリアをどのように描いているのか。
- 学びたいことと今回の案件の親和性があるか。
1,2については、候補者が現場に参画してからの立ち上がりの早さを確認しています。
学習する習慣がある人なら、多少現在の知識が足りていなくても、
参画しながら補ってくれると想像できますし、
3,4については、『キャリアに対しての一貫性』を見ています。
叶えたいキャリアに対し、一貫性を持った行動ができている場合、
下記の因果関係が成り立ちます。
このようなキャリアを描きたい → だからこの技術を勉強している
このようなキャリアを描きたい → だから御社の案件に参画したい
つまり、「勉強している技術 ≒ 参画したい案件」
この関係が成り立つ時、技術者も企業もWin−Winの関係が築けており、
企業としても不安を抱くことなく、技術者を迎え入れることができます。
まずは大まかなもので構わないため、自分のキャリアの方向性を定め、
技術勉強を行う癖をつけ、この設問でもアピールできるようにしましょう。
過去の経験で、失敗してしまった出来事とそこから得た事について教えてください。
こちらの質問では、
- 失敗を認められる「人間性」
- 失敗を成功の糧に出来ているか
を確認しております。
まず前提としてお伝えしたいのは、
「沢山失敗している人=沢山解決策を持っている人」です。
自身の失敗を話すというのは、
「自分のマイナスポイントを伝える」ように見えるため抵抗感がありますが、
その抵抗感に打ち勝って、素直に伝えるようにしましょう。
ここでポイントなのは、「何故失敗したのか」も合わせて伝えることです。
ただ失敗しただけではその後の成功に結びつかないため、
原因をきちんと整理し、再発防止策まで考え実行できているとベストです。
現在は、開発しながら修正・変更を繰り返していく、
アジャイルによる開発を取り入れる現場が増えて来ており、
そのような現場では特に、沢山失敗した経験があり、
沢山解決策を持っている人は重宝されます。
失敗を恥ずかしがらず、逆にその経験を「財産」だと思えるようになりましょう。
逆質問について
逆質問タイムにおいて、企業は候補者の何をチェックしているでしょうか?
それはズバリ、「自社への興味の度合い」と「地頭の良さ」です。
自社へ興味がある人であれば、きっちりと企業分析を行い質問を準備して臨んでおりますし、
地頭の良い人であれば、「なんでこの質問したの?」と思われてしまうようなことは尋ねません。
面談の前にはこちらを参考に、
逆質問を3つ以上、用意しておくようにしてください。
「3つ以上」というのは、会社説明の際に準備していた質問の答えを、
回答されてしまう可能性があり、数が少ないと心もとないためです。
これから逆質問例を3つ程度紹介いたしますので、
少しでも読者の参考になることを祈っております。
参画する前に勉強しておいた方が良いことを教えてください。
よくある逆質問かもしれませんが、
企業への熱意を伝える上では、効果的な質問です。
もしできることなら、
「御社へ参画する前に、○○を勉強しておけば良いですか?」
というように、当たりをつけた聞き方ができれば尚良しです。
御社のビジネスモデルはこのようなモデルという認識であっておりますか?
質問事例の際にも少し触れましたが、
特に事業会社の場合は、ビジネスモデルを把握することは、
システムの実装をする上でも必須となります。
先方へのアピールにも繋がりますので、
事前にHP等を参考にビジネスモデルを図解し、
理解を深めておくことをオススメします。
開発のマシンは選べますか?
言語やDBなどの開発環境はきっちり確認する人が多い中で、
意外と抜けてしまうのが「開発マシン」の確認です。
事前に確認していなかったことで、
本人はMac希望だというのに現場にはWindowsしかなく、
パフォーマンスが全く発揮できない事態に陥ってしまうことも想定できます。
お互いの契約を滞りなく行うことができるよう、必ず確認するようにしましょう。
まとめ
2週に分けてお送りしたSES契約にまつわる面談対策、いかがでしたでしょうか?
まだまだ全てをお伝えしきれてはおりませんが、総じて言えるのは、
面談の合否は、『準備』で9割決まるということです。
相手の意図を汲み取った適切な準備を行い、沢山のオファーを勝ち得ることで、
「企業から選ばれる」のではなく、「企業を選ぶ」ような自分へと生まれ変わりましょう!